年末調整 所得控除 2025年版

給与所得控除後の金額とは?源泉徴収票の見方と計算方法【2025年版】

2025年7月9日 | 読了時間:約8分 | 給与計算専門家

源泉徴収票や年末調整で見る「給与所得控除後の金額」は、給与収入から給与所得控除を差し引いた後の給与所得です。所得税を計算する前の出発点になるため、基礎控除や扶養控除を差し引いた後の「課税所得」と混同しないことが大切です。

源泉徴収票の給与所得控除後の金額を確認するための編集図
給与収入から給与所得控除を差し引くと、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を確認できます。
この記事で分かること:
  • 給与所得控除後の金額と課税所得の違い
  • 各種所得控除の種類と計算方法
  • 2025年の税制改正ポイント
  • 実務での計算手順と注意点

給与所得控除後の金額とは何か

給与所得控除後の金額とは、給与や賞与などの支払金額から、会社員向けの必要経費にあたる給与所得控除を差し引いた金額です。源泉徴収票では「支払金額」の右側に表示され、年末調整や確定申告で給与所得を確認する基礎になります。

計算式

給与所得控除後の金額 = 給与収入 - 給与所得控除額

年末調整では、この金額から基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除などの所得控除を差し引き、課税所得金額を求めます。つまり「給与所得控除後の金額」と「所得控除後の課税所得」は別の段階の金額です。

給与所得控除額の早見表

給与所得控除額は給与収入に応じて決まります。2025年分の年末調整で確認する場合は、国税庁の最新表を前提に、次の流れで概算を確認します。

給与等の収入金額 給与所得控除額の考え方 確認ポイント
162万5,000円以下 55万円 控除後の金額が小さくなりやすい層。最低控除額を確認します。
360万円以下 収入金額に応じた計算式 端数処理で差が出るため、国税庁の表か計算ツールで確認します。
660万円以下 収入金額に応じた計算式 源泉徴収票の支払金額から給与所得を逆算しやすい範囲です。
850万円超 控除額の上限に注意 所得金額調整控除の対象になる場合があるため、年末調整書類も確認します。

正確な控除額は、支払年分に対応する国税庁の給与所得控除表で確認してください。年末調整の検算には 年末調整 所得金額計算ツール も使えます。

主な所得控除の種類と2025年の控除額

年末調整で適用される主な所得控除には以下があります。2025年分の控除額を含めて詳しく解説します。

基礎控除

2025年分控除額:

  • 合計所得金額2,400万円以下:48万円
  • 2,400万円超2,450万円以下:32万円
  • 2,450万円超2,500万円以下:16万円
  • 2,500万円超:適用なし

令和2年分から控除額が変更されています。

配偶者控除

2025年分控除額:

  • 一般の配偶者:38万円
  • 老人配偶者(70歳以上):48万円

配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合に適用。納税者の合計所得金額により控除額が変動します。

扶養控除

2025年分控除額:

  • 一般の扶養親族:38万円
  • 特定扶養親族(19歳以上23歳未満):63万円
  • 老人扶養親族(70歳以上):48万円
  • 同居老親等:58万円

社会保険料控除

控除額:

支払った社会保険料の全額

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 国民年金保険料等

所得控除後の金額の計算手順

実際の年末調整における所得控除後の金額の計算手順を、具体例を用いて解説します。

計算例:年収500万円の会社員の場合

前提条件

  • 年間給与収入:500万円
  • 配偶者:あり(専業主婦)
  • 扶養親族:子ども1人(20歳)
  • 社会保険料:年額75万円
  • 生命保険料:年額12万円

計算結果

  1. 給与所得:356万円
    (500万円 - 給与所得控除144万円)
  2. 基礎控除:48万円
  3. 配偶者控除:38万円
  4. 扶養控除:63万円
    (特定扶養親族)
  5. 社会保険料控除:75万円
  6. 生命保険料控除:4万円
所得控除後の金額:128万円
(356万円 - 228万円)

2025年分の税制改正ポイント

2025年分の年末調整において、所得控除に関する主な変更点をまとめました。

2025年の主な変更点

  • 基礎控除額:変更なし(48万円を維持)
  • 給与所得控除:変更なし(上限195万円を維持)
  • 扶養控除:16歳未満の扶養親族に関する住民税の取扱い見直し検討中
  • 配偶者控除・配偶者特別控除:所得要件の見直し検討中

2025年分については大きな変更はありませんが、今後の税制改正動向に注意が必要です。特に、扶養控除の見直し配偶者控除の所得要件については、政府税制調査会で継続的に議論されています。

実務での注意点とポイント

年末調整で所得控除後の金額を正確に計算するための実務上の注意点をご紹介します。

よくある間違い

  • 扶養親族の重複計上
    複数の扶養者で同一人物を扶養親族として申告
  • 所得要件の確認不足
    配偶者や扶養親族の所得金額の確認漏れ
  • 控除証明書の添付忘れ
    生命保険料控除等の証明書類の確認不足
  • 年齢要件の誤り
    特定扶養親族や老人扶養親族の年齢判定ミス

正確な計算のコツ

  • 申告書の記載内容確認
    従業員から提出された申告書の記載内容を詳細にチェック
  • 所得金額の正確な把握
    配偶者・扶養親族の所得を源泉徴収票等で確認
  • 控除額の上限確認
    各種保険料控除の上限額を正確に適用
  • 計算ツールの活用
    当サイトの計算ツールで検算を実施

計算の効率化

所得控除後の金額の計算を効率化するために、以下のツールをご活用ください:

給与所得控除後の金額に関するFAQ

同じではありません。給与所得控除後の金額は給与収入から給与所得控除を差し引いた給与所得です。そこから基礎控除や扶養控除などを差し引いた後の金額が、所得税を計算する課税所得になります。

源泉徴収票では「支払金額」の近くに「給与所得控除後の金額」という欄があります。支払金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額と並べて見ると、年末調整後の流れを確認できます。欄全体の読み方は 源泉徴収票の見方 も参考にしてください。

給与所得控除は給与収入から給与所得を求めるための控除です。基礎控除は、給与所得などを合計した後に差し引く所得控除です。控除される順番が違うため、両方を同じ控除として足し引きしないようにしましょう。

まとめ

所得控除後の金額は、年末調整において正確な所得税額を計算するための重要な基礎となります。2025年分の年末調整では、以下のポイントを押さえて正確な計算を行いましょう。

重要ポイントのまとめ

  1. 基礎控除48万円は合計所得金額2,400万円以下の場合に適用
  2. 配偶者控除・扶養控除は所得要件と年齢要件を正確に確認
  3. 社会保険料控除は支払った保険料の全額が控除対象
  4. 各種保険料控除には上限額があることに注意
  5. 年末調整 所得金額計算ツールを活用して効率的かつ正確な計算を実施

正確な年末調整は従業員の税負担に直接影響するため、最新の法令に基づいた計算を心がけることが重要です。不明な点がある場合は、税務署や税理士にご相談ください。

参考:国税庁の 給与所得控除、年末調整関係資料、源泉徴収票の記載要領を確認しながら作業してください。

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